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#4「興奮すると鼻血が出るって本当?」

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そもそも鼻血の仕組みとは?

木原:マンガなどで「興奮すると鼻血が出る」という描写がありますが、それは実際に起こりうるものでしょうか? 一体、科学的にはどのような仕組みになっているんですか?

平林:なるほど、そんなシーンがあったような気もしますね。それでは、順を追って考えていきましょう。まず、人間が興奮するとドキドキするというか、脈拍が高くなりますよね。そこで、「脈拍が早くなるとどうなるか」と「鼻血が出る原因になりそうなもの」という、2つのことから考えてみることにしましょうか。

木原:普通、脈拍は60くらいですよね。鼻血が出る原因は、血圧が怪しそうですね。

平林:血管の中の血がどれだけ圧力を受けているか?逆に言うと、血が血管を内側からどれだけの力で押し、血管の外へ飛び出そうとしているかを示す「血圧」は確かに怪しいですね。すると、脈拍と血圧の関係、つまり脈拍が上がったとき血圧はどうなると思いますか?

木原:脈拍が上がるときはアドレナリンが出ているでしょうし、アドレナリンは血管拡張作用を持っていたはずなので、血圧が下がると思います。

平林:アドレナリンが血管の断面積が広がれば、血管中の血も狭い所に押し込められている状態ではなくなるので、血圧が下がるというわけですね。(薬の作用が書いてある本を眺めて)アドレナリンは「心臓の冠動脈を拡張し血をたくさん体に送りこませる一方で、皮膚毛細血管は収縮させ、血圧を上昇させる」と書いてありますね。

木原:なるほど。それなら「興奮するときは、アドレナリンが出ているから血圧が高くなる」という具合になりそうです。

平林:そうですね。そして、血圧が高くなると血管はその圧力で、つまり血管の内側から血に押されて、少し拡がるわけですが、それでも、血圧が100を超えるくらいになると、血管もそれ以上はあまり拡がらなくなってしまいます。

木原:ゴム風船が限界まで膨らんだような状態ですね。そうすると、それ以上血圧が上がると「血管が破れてしまう」という風になりそうです。

平林:すると、問題は、興奮しているとき、ドキドキと脈拍が上がっているようなとき、どこの血管が破れてしまいそうか、というのが秘密を解くカギですね。

人間に体で最も血管が弱い場所とは?

木原:最初に破れてしまうのは、きっと血管の中で一番「弱いところ」じゃないでしょうか?

平林:ええ、たいていそうですよね。ダムが決壊するときも、一番弱い部分から水が流れ出してしますね。鼻の内側の欠陥部分が、一番破れやすい状態なんですね。皮膚もないし、傷つきやすい表に出ているし、鼻の中を指で傷つけたりもするし。

木原:つまり・・・興奮する→脈拍が高くなる・血圧が上がる→血管がそれ以上広がらなくなる→さらに血圧が高くなる→皮膚の弱い所が破れる→鼻血が出る、という流れなんですね。

平林:それが「興奮すると鼻血が出る」メカニズムですね。