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#08「雨で透けない白いシャツは作れるの?」

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そもそも「白」ってどんな色?

平林:今回は「雨で透けない白いシャツは作れるの?」という疑問です。確かに、(白衣を指さしながら)この白衣を水に濡らしたら、かなり透けてしまいますね。けれど、白じゃなくて黒い布なら、ほとんど透けないですよね。まず、「白」って一体「どんな色」なのか考えてみましょうか。

木原:白は「光を全部反射する色」じゃないですか。

平林:いい感じですね。それを、「○○しない」という風に言い換えるなら、どう風になります?

木原:「白は光を吸収しない」色ですか?

平林:そうですね。色々な色に見える光が同じように混ざっている光を「白色光」といいます。それが、いわゆる「白」ですね*。逆にいえば「何か特定の色が含まれていないような光」は白くありません。たとえば、太陽の光に照らされた花びらがあったとして、もしもその花びらが、青色の光を吸収するような種類の花だったとしたら、人間の眼には「青色」を除いた光が届き、それは「黄色の花」に見えます。あるいは、緑色や赤色を吸収するような花だったら、青色の花に見えるんですね。

辻:なるほど。何かの色を吸収してしまうものは、「その色の光を含まない色」に見えてしまうわけですね。

平林:そうです。だから、色んな色が同じように混ざっている「白色」に見えるためには、何か特定の色を吸収してはダメなわけです。けれど、白い色はどの色も吸収しないといっても、それだけでは「白」には見えません。たとえば、普通のガラスは「どの色を吸収したりすることもなく、光をそのまま通す」わけですが、あれを白とは言いませんよね?

辻:透明ですよね。白いガラスといったら、「くもり(スリ)ガラス」ですね。

平林:そう、スリガラスみたいに、何かの色を吸収したりすることはないけれど、光を何回も何回も曲げて、向こう側の姿がハッキリとは見えなくなって不透明になっているのが「白色」なんですね。

木原:「光を何回も何回も曲げることで、向こう側が見えない」というのが白色のポイントなんですね。

*人間の眼は緑色・赤色・青色だけを混ぜただけでも、「白色」に感じてしまいますから、少なくとも、青も緑も赤も全部同じように含んでいれば、白い色に見えます。

白いシャツが透ける理由は屈折率!

平林:「光が何回も曲がる」のが、「すべての色を含んでいるけれど、不透明」という白色のヒミツですが、なんで光は曲がるんでしょうか?

木原:屈折率が違うからですか?

「屈折率」とは・・・

直進する光線などが、異なる媒質の境界で進行方向の角度を変える割合のこと

平林:そうですね。屈折率が違うものの境目では、光は曲がったり・反射したりします。空気の屈折率はどのくらいかご存知ですか?

木原:1くらいですか?

平林:はい。空気の屈折率は1程度で、繊維の屈折率はだいたい1.5くらいのものが多いんです。すると、空気と繊維の境界では屈折率が違いますから、光が方向を変えます。ということは、服の繊維みたいな、繊維が複雑に絡んでいるものに光があたると、屈折率が違う空気と繊維の間で数え切れないくらい方向を変えたり・反射したりして、結局は光が入ってきた方向にそのまま戻ってしまったりするんですね。

木原:なるほど。

平林: どの色も吸収しないから白い光のままなんですね。だから、スリガラスと同じように「透明じゃなくて不透明で白い」という具合になるんです。

木原:この場合、屈折率って、関係あるんですか?反射だけが関係ある気がするんですが・・・。

平林:屈折率が違わないと光が曲がる屈折だけじゃなくて、光の反射も起きないんですね。ちなみに、繊維に屈折率1.5くらいのサラダオイルをこぼしたりすると、繊維とサラダオイルの屈折率があまり変わらないので透けて見えちゃうんですね。

辻:なるほど。