#12「水風船を火であぶっても割れないって本当ですか?」
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とりあえず実験してみよう!!
平林:さて、このテーマは本当だと思いますか?
加藤:焦げはしそうですよね。風船ってゴムでできていますよね。ゴムって弾性があるので伸びるけど燃えはしないのかな? うーん、分かりません・・・。
平林:ゴムを熱すると溶けたり・燃えたりしますね。
加藤:普通なら・・・ゴムでできた水風船は火で溶けちゃいそうですね。
平林:じゃあ、実際に水風船に火をつけてみましょうか。
※水風船にライターで火をつけてみる。すると・・・
加藤:割れない!! でも、ちょっと変形はしていますか?
※もう一度、水風船に火をつけてみると・・・
加藤:割れないですね!!
平林:そう、水風船を火であぶっても割れないんですね。ゴム風船が炎で炙られると、ゴムが熱くなって溶けると思いがちですよね? けれど、実際には、ゴムに伝わった熱量がすぐに水に奪われちゃうんですね。水に近いゴム内側はほぼ中の水と同じ温度ですし、ゴム風船が薄いということもあって、炎があたっている風船の表面付近でもそんなに温度が高くならないんです。それで風船が割れるほどにはゴムが溶けたり・燃えたりすることはないんです。ゴムから熱を奪っていった風船の中の水は、ほら、温かくなっていますよね。
加藤:あっ、本当だ! 温かい。
水が沸騰するまで水風船は割れない!!
加藤:これは、ゴムだから起こる現象なんですか?
平林:「ゴムだから」というわけではありません。旅館などの食事で、紙で折られた紙鍋の中につゆと食材が入っていて、それを固形燃料などで燃やす料理がありますよね。あの紙鍋が燃えないのも、この水風船が割れないのと同じ理屈ですね。
加藤:なるほど。ということは、水の入った紙風船を火であぶっても、やっぱり紙風船は燃えないっていうことですか?
平林:大丈夫ですね。
加藤:ゴム風船はずっと割れないんですか?
平林:いえ、ずっと炎であぶっていると、いずれ割れてしまいます。具体的には、水風船中の水が沸騰し始めたら、破裂してしまいますね。
加藤:沸騰して、泡がブクブク出てくると・・・どうなるんでしょう?
平林:ゴムを介して温めているので、下のゴムに接した部分で泡ができますよね。そうすると、そんな泡ができてしまうと、ゴムから十分な熱を奪えなくなって、急にゴムが熱くなってしまったりします。また、沸騰しはじめると水風船が沸騰して発生した水蒸気でどんどん大きくなってしまいますから、先ほどの実験もゴム風船の水が沸騰するまで続けていたら、割れたり・破裂したりしちゃいますね。