WonderNotes 可能性を可能にするポータルサイト ワンダーノーツ

#14「色つきのシャボン玉って作れないんですか?」

シャボン玉が薄くなるのは地球上だから?

加藤: なんで、そんなにシャボン玉は薄いんですか? シャボン玉が薄くなっちゃう理由でもあるんでしょうか?

平林:はい、シャボン玉にはどうしても薄くなってしまうワケがあるんです。絵を描いて考えてみましょうか。吹いて膨らんだシャボン膜の中のシャボン液は自由に動く液体ですね。シャボン玉の上の方にあるシャボン液はどんな風に動くと思いますか?

加藤:どうなるんだろう?

平林: シャボン膜の中のシャボン液には重力が働いています。ということは、シャボン液はどんどん下に流れていってしまいますよね。シャボン液が下に流れていくということは、シャボン膜は上の方からあっという間に薄くなっちゃうわけです。

加藤:なるほど。重力が働いているから、シャボン玉は薄くなってしまうんですね。

平林:はい、そういうことです。「重力」がシャボン玉の膜の薄さを作り出していた、というわけです。ところで、今年4月に色が付いたシャボン玉に関するニュースがありましたが、ご存じでしょうか?

加藤:もしかして、宇宙飛行士・山崎さんの、重力がないところでシャボン玉を作った実験でしょうか?

平林:そう、それです! 宇宙船に乗って、重力が働かない無重力の所で色の付いたシャボン液を吹いてみたら、ちゃんと色がついて見えたんですね。なぜかというと、無重力空間だとシャボン液に重力が働かないので、「下」に落ちてしまったりすることはないから、というわけです。

宇宙飛行士・山崎直子さんの実験・・・

2010年4月宇宙飛行士の山崎直子さんは娘の優希ちゃん(7)とテレビ電話を使い、シャボン玉を使った実験をした。
優希ちゃんが「色水で作っても、シャボン玉に色がつかないのはなぜ?」と思ったのがきっかけ。そこで山崎さんは「重力のない宇宙なら色がつくのでは?」という優希ちゃんの疑問に答えることにした。
山崎さんは、せっけん、赤い色のジュース、ストローを使ってシャボン玉を作ってみせた。それに山崎さんの娘さんは大喜びだったという。

加藤:「シャボン玉」ひとつでも、私たちが地球の上で吹いて作ったシャボン玉と、宇宙で吹くシャボン玉は違うんですね・・・。

平林:そういうわけで、「色つきのシャボン玉は作れるか?」という今日のテーマへの答えは・・・「色つきのシャボン玉は作れますが、普通の地球上では作れない、ということになります。ただし、宇宙まで行って、無重力の空間でなら色つきのシャボン玉を作ることができる」ということになります。

加藤:なるほど。

平林:以上が、シャボン玉に関する、明日誰かに話したくなる科学でした。お子さんなどは喜ぶ話かもしれませんね!!

いろんな色のシャボン玉を実際に作ることができたら楽しいですよね♪
山崎直子さんがとてもユーモラスな実験をしていたのを思い出し、地球を離れることができない身としてはとても残念に思いました。
「いつか色のつく厚めのシャボン玉が開発されたらいいなー」「シャボン玉にいい香りを付けることもできるのかな」「割れないシャボン玉も開発できないかな」「音の鳴るシャボン玉なんてできないかな」・・・と夢を膨らますことのできる実験でした!