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#1「温泉の成分ってどれくらい体に良いの?」

日本で一番美容に良い温泉は?

平林:それでは「ココが一番美容にいい!」という、強アルカリの温泉地をコッソリ教えましょうか!

辻:是非!とても知りたいです(笑)。

平林:(ホワイトボードに日本地図を書き、長野県あたりにマークを付ける)

辻:そこは長野県ですか?

平林:スキー場で有名な白馬です。白馬温泉にはphが10を超える強アルカリ性の源泉もあるので、今回は白馬温泉が日本一美容に良い温泉ということにしておきましょう。

辻:今度みんなで遊びに行ってきます(笑)。

日本で一番病気を治すに最適な温泉は?

平林:じゃあ、もう1個教えましょう。「日本一、病気を治すのに最適な温泉」はどこでしょうか?

辻:草津ですか?

平林:そう、正解です! 群馬県の浅間山の近くにある草津なんです。じゃあ、草津温泉の「ph」はどのくらいだと思いますか?

辻:想像できないです。

平林:「ph」が2という源泉もあります。

辻:そんな強酸性なんですか!?

平林:ですので、源泉に直接入ったら、殺菌どころか・・・

辻:消えちゃうじゃないですか!(笑)。

平林:強酸性だと人間の体が消えるところまでいくかということは、また別の時に考えてみるとして・・・、病気になったら草津温泉! 奇麗になりたいなら白馬温泉に行く、というのが良いのかもしれませんね。

自宅で温泉気分を味わう方法は?

平林:ところで、普通の家のお風呂で殺菌作用を楽しみたいとしたら、どういうことをすればいいと思いますか?

辻:お風呂に何か入れるのでしょうか? たとえば、ゆずを入れるとか?

平林:そう、まさにそうです。ゆずやミカンの皮を入れると、まさに殺菌作用とかあるわけです。逆に、アルカリ性の石鹸の入った風呂に浸かっていたら毛穴とかは奇麗になります。

辻:家でも温泉のような体験ができるんですね。

平林:そうですね、ある程度は家でもできちゃいます。けれど、超効く温泉と同じくらいの強酸性、強アルカリ性や、温泉気分を満喫できる硫黄系成分などを含むまでの温泉体験はできないんです。例えば、今はもう売られていないですが、かつて「六一〇(ムトウ)ハップ」っていう温泉の素がありました。

「六一〇ハップ(ムトウハップ)」とは・・・

武藤鉦製薬が販売していた入浴剤。一般用医薬品として指定されていたため、薬局、ドラッグストアのみの販売だった。硫黄を成分とし、元の赤っぽい色の液体が、お湯に溶かすことで白濁するとともに硫黄臭がひろがり、あたかも、硫黄泉に入っているような気分にさせてくれる。

平林:「六一〇(ムトウ)ハップ」などは、医薬品扱いで薬局でしか買えなかったんですけれど、温泉の匂いそのものみたいになる温泉の素なんです。けれど、これを使うと、風呂釜の金属部分が真っ黒になって腐食してしまうんです。だから普通の家では、温泉を再現することはなかなか難しいんですね。でも、ゆず風呂くらいだったら大丈夫です。あと、もちろん普通に売っている温泉の素でも温泉気分に浸れますよね。

辻:温泉の素って1袋では物足りないときは、2袋・3袋と多く入れたら、単純に効果は上がるんですか?

平林:匂いとか色は強くなるでしょうね。

辻:でも、溶解度がありますよね。そんなに入れても溶けないんじゃないですか?

平林:まるで理科の実験ですね(笑)。もちろん、溶ける範囲で使わないと「もったいない」ですしね。

辻:温泉の素で体にいらない成分が入ってくることはないんですか?

平林:着色剤とかは、本来は不要な成分でしょうから、着色剤の含有量は気にする人は気にしますよね。とはいえ、お湯の色とか匂いとかで、気分的にはリラックスできるたりもするので、体はともかく心には結構効きそうですね。実際、要望に答えて「透明な温泉の素」を発売したこともあったけれど、ほとんど売れなかったという話を聞いたこともありますし。他に温泉で気になる事はありますか?

辻:この前行った温泉に「ワイン風呂」っていうのがあったんです。ワインも温泉の素と同じように、何らかの効果があるんですか?

平林:ワインはお酢みたいなものですから、殺菌という酸性温泉と同じ効果はありそうですね。ただ、ワインの中には栄養分もたくさん入っていますから、自分の家でやるなら雑菌が繁殖しないように気をつけないといけないでしょうね。ワイン風呂は、気分的に豊かにさせてくれそうな効果と同時に、弱酸性温泉と同じような効果はあると思います。

辻:今日は温泉について、かなり学べました。

平林:これで、かなりの温泉博士になったと思いますよ。是非、明日誰かに温泉の科学を話してみて下さい!

“平林先生にどんな質問をしよう“とみんなで話していた時に、この温泉の話が出ました。お店に行けばいろいろな種類の温泉の素が売っていますが「本当にそれらが実際に温泉へ足を運んだときと同じ効果があるのかどうか?」という疑問がありました。温泉の素に記載されているキャッチは言葉巧みで、なんだかいいようにのせられているような気がしていたんです。
 具体的に、1つ1つもたらされる結果の根拠を知ることができて理解を深めることが出来ました。次回からは「どんな効用を得たいか」「入浴後どうなっていたいか」を基準にして温泉を選んでみようと思います♪