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#15「3Dテレビって、なぜ3Dに見えるんですか?」

ただのサングラスなのに3D映像になるプルリッヒ効果!?

遠藤:3D映画はどのタイプなんですか?

平林:映画では色々な方法が使われていて、上映する場所や上映する映画によって違ったりします。ですから、もしも映画館に3D映画を観に行くのであれば、どの方法が使われているかを下調べして、迫力の有無などを確認してから行く方が良いですね。

・・・ところで、とても簡単に3D映像を楽しむことができる方法があるので、それを今から教えます! 誰の家にもある「モノ」を使って立体動画を楽しめる方法があるんです。

遠藤:一体、何を使うんでしょうか?

平林:・・・それは、サングラスなんです。試しに、サングラスを片目だけにかけてみてもらえますか。で、この動画を見ると・・・どうなります?

遠藤:あぁ、本当だ! 立体に見えた!

平林:じゃあ、この方法で見ることができる昔のテレビ番組映像も見てましょうか?

遠藤:立体だ!

平林:これは、プルリッヒ効果という現象を使って、人に立体感を感じさせている動画なんですね。たとえば、急に光が現れたとします。そのとき、サングラスをかけていない方の右目はすぐに「光がある」とわかるんです。

けれど、サングラスをかけている方の左目は、右目よりも遅れて「光がある」と感じられるんです。本当は同じ瞬間にパッと光ったとしても、サングラスをかけている方は遅れて見えるわけです。

遠藤:はい。

平林:そうすると、左右に動いているものを眺めると、右目と左目には違う場所にいるように感じられてしまうんです。そうすると、左右の目に少しずれた映像が見えることになるので、立体的な景色として感じられるんですね。ちなみに、先ほどの映像は近くに見せたいものは左に動いているし、遠くに見せたいものは右に動いていたんです。

プルリッヒ効果とは・・・

1922 年にPulfrich によって発見された。明るい画像より暗い画像の方が、網膜から脳に情報を送って認識するまでの時間が長くかかるという性質。これにより片目だけサングラス越しにして左右の動きを見ると、その動きが奥行きを持って見える。

遠藤:なるほど。使っているものは単純ですが、その仕組みは意外に複雑なんですね。

平林:某巨大動画サイトにも、これと同じ原理の映像がいっぱいあるので、家にあるサングラスを使えば立体画像が見ることができます。

遠藤:今度見てみます。

平林:というわけで、3Dに見える秘密についての科学のお話でした。是非、明日誰かに話してみて下さい!!

人が空間の奥行きや距離を認識する仕組みからヒントを得て、映像を立体的にみせることを可能にした技術の進歩に驚きました。はじめは赤青の眼鏡から、今では3Dテレビや3D映像対応のゲームまで発売されるようになって。小中学生の教育現場でも、3Dを取り入れる動きもあるそうです。そうなると、教科書で見ていたものが飛び出して来て、楽しみながら勉強ができそう。羨ましいなと思いました。