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#16「虹ってどうやったらできるの?」

虹ができるシチュエーションとは?

平林:虹がどんな時に、どっちの方向に出るか考えたことありますか?

科学ちゃん:ちゃんと考えたことはないんですが、やっぱり雨が降った後とか、ホースで水を撒いた時とかですかねぇ・・・。

平林:「虹の見え方」って意外なほど面白いんです。ためしに、虹が一体どんな風に見えているかを思い出して、絵に描いてみてもらえますか。

科学ちゃん:(虹の絵を描く)こんな感じでしょうか?

平林:その虹に対して、虹を眺めている私たちはどこに立っていることになりますか?

科学ちゃん:僕は「虹だ!」と思った時には、ここら辺にいると思うんですよね。

平林:虹と太陽の間から虹を眺めているんですね?

科学ちゃん:多分・・・。小さい頃、虹を追いかけたことがあってですね。本気で虹の下には宝物があるって信じていて。その時に、太陽を背にして走った記憶があります。

平林:なるほど(笑)。太陽が後ろにして、虹を眺めていたということですね。では、もうひとつ、色はどんな順番に見えたか覚えています?

科学ちゃん:7色あって、赤、黄色、紫とかあったのは覚えているんですけど。

平林:実は7色っていうのも文化によって違っていて、虹の色数を5色とか6色といった風に表現する国も多いですよね。

科学ちゃん:知らなかった! そうなんですね。虹の色にはハッキリとした境界線がないっていうことですか?

平林:ないですね。連続的に色が変わっているんですね。さて、赤色は虹の外側に見えたでしょうか? それとも、内側に見えたでしょうか?

科学ちゃん:勘ですけど、外側ですか?

平林:まず、虹の見える場所を描いたさっきの絵ですが、これで合っていますよね。虹に関する秘密のポイントの1つめは、「虹を見る時は必ず太陽を背にしている」ということなんです。そういう位置でないと、綺麗に輝く虹って見ることができないんですね。

科学ちゃん:なるほど!そうだったんですね。

虹の色は「外側が赤色」で「内側が青色」

平林:ちなみに、「太陽と虹と私たちを描いた絵」に記憶をさらいつつ、さらに雲を描くとしたらどこに描きますか?

科学ちゃん:虹と雲って一緒に見ることありますよね? でも、虹の内側に雲ってなかった気がするんです・・・。

平林:そうですね。雲の下に雨粒があって。その雨粒に光が入ってきて屈折し・水滴の裏側で反射して見えるのが、一般的に見える虹なんです。以前も勉強したように、光には波長が短いのから長いのまであるんですが、屈折・反射の具合で、円状に見える虹の外側には赤い光が見えて、青い光は虹の内側に見えるんですね。

科学ちゃん:虹の外側が赤色、内側が青色という記憶は正しかったんですね。

平林:はい、そうです。そして、空に浮かんでいる水滴から屈折・反射する光というのは、ある特定の方向・角度にだけ向かうんです。

科学ちゃん:逆に言うと、その角度・方向にだけ虹が見える、ということですね。

平林:はい、そうです。雨粒に差し込む太陽の光に対しておよそ40度の方向に光が反射するので、雨粒がある部分を真ん中に太陽との角度が40度くらいになる場所にいる人だけが虹を見ることができるんですね。

だから、もしも、虹を追いかけて行ったとしたら、雲の下に行ったら瞬間に虹は消えちゃうんですね(笑)。虹を見ることができるシチュエーションをもう一度考えると、太陽の位置、角度、雲、後は人のいる場所とかが関係するんですね。

科学ちゃん:じゃあ、ホースで水を撒いた時にできる虹っていうのは、その条件全てが当てはまった時にできるんですね?

平林:そうですね。太陽を背にして、太陽との角度が40度になる方向にホースで水滴を作ってやると、綺麗な虹を見ることができるわけですね。

科学ちゃん:水の粒の大きさは関係あるんですか? イメージですけど細かい方ができやすい気がするんですが。

平林:いえ、霧みたいに水滴の大きさが小さいと、虹を見ることはできないんですね。